5月29日より変更されるTOEIC試験出題形式について
2016/05/10 17:35:19
英語能力を評価する世界共通のテストTOEICは、合否ではなく10点から990点までのスコアで評価され、世界約150カ国で実施されています。
就職や転職に有利な資格試験のひとつとして日本では特に有名で、約7割の国内企業が採用の際に参考にしているといわれています。
そのTOEICが5月29日(日)に開催分のテストより出題形式を10年ぶりに刷新します。
こちらでは、その変更点について解説していきます。
リスニングセクション
▼Part1 写真描写問題
出題形式:変更なし
変更点:問題数が10問から6問に減少
▼Part2 応答問題
出題形式:変更なし
変更点:問題数が30問から25問に減少
▼Part3 会話問題
出題形式:大きく変更あり
・長い会話が増加→センテンスひとつひとつはわかりやすくなった
・日常会話形式が新たに登場→会話の意図を問う問題が新設された
・問題用紙に”図”が登場→会話との照らし合わせが必要な問題が新設された
変更点:大問が10から13に増加→問題数は30問から39問に
▼Part4 説明文問題
出題形式:変更あり
・問題用紙に”図”が登場→会話との照らし合わせが必要な問題が新設された
・話し手の意図をくみ取る問題が登場→前後関係から判断の問題
・会話表現がより自然となった→以前のような固い会話だけではなくなった
変更点:問題数は変更なし
<リスニングセクション変更点のまとめ>
・略した表現が用いられるようになった→gonna,wanna,gottaなど
・よりリアルな英会話を意識した出題内容に刷新された
リーディングセクション
▼Part5 短文穴埋め問題
出題形式:変更なし
変更点:問題数が40問から30問に減少
▼Part6 長文穴埋め問題
出題形式:若干変更あり
・選択肢の記載方法が変更→文中から文の外に移動
・選択肢に”文”が加わった→以前は”語””語句”のみだった
変更点:設問数が3問から4問に増加→問題数は16問に
▼Part7 読解問題
出題形式:大きく変更あり
・テキストやチャットなどの現代的な出題の登場
・問題の意図を汲む問題の登場
・文章挿入問題の登場
・トリプルパッセージが登場→3つの文書を読んで読解
変更点:問題数が48問から54問に増加
〇内訳
・シングルパッセージ:29問
・ダブルパッセージ2つ:計10問
・トリプルパッセージ3つ:計15問
<リーディングセクション変更点のまとめ>
・リーディングセクションの半分以上の問題が読解問題となった
・文章の前後関係を把握しなければいけなくなり、実践的な英語力が必要になった
変更点の総評
今回の変更の背景には、”TOEIC試験に技術介入の余地があったから”といわれています。
つまり本当の英語力によってではなく、テクニックによってスコアが上がる傾向にあったということです。
今回の変更によって、多くの問題は全体の流れや展開が理解できないと正解が導けないようになりました。これは、実践的な英語力を身につけないとスコアが出せないようになったとも言えます。留学を検討されている方や、留学経験のある方にとっては或いは朗報かもしれませんね。
なんにせよ、この変更がTOEICの”英語力の証明”としての権威を格上げするのに役立ってほしいと願うばかりです。